大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ツ)7号 判決

上告人(被告) 福田重男

被上告人(原告) 吉岡久

〔抄 録〕

しかしながら通常の場合、地代家賃統制令による修正統制額は当該家屋の相当賃料額と認むべきものであるから、特段の事情のないかぎり、貸主は修正統制額までの賃料増額請求権を有するものと解せられるのであるが、上記原判決の認定しているように、本件建物部分の賃料については、上告人が本件建物部分に備付けた畳、建具等の造作に相当する部分を統制額から控除するかどうかについて、当事者間に意見の不一致があり、統制額が改訂される都度第三者のあつせんによつて、統制額を下廻る賃料が協定されてきたとのことを合せ考えれば、右造作等が地代家賃統制令の施行以前から上告人の所有であつたとの一事から、右造作等の相当額を統制額から控除する必要がないものと推論することは許されないものといわなければならない。従つて、右のような特段の事由の存する場合においては、修正統制額が当然に適正賃料であるということはできないものというべきであるから、統制額が修正されたことだけをもつて、直ちに貸主に右統制額までの増額を請求する事由が発生したものと推論することもまた許されないものといわなければならない。

(村松 杉山 山本一)

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